東京株式市場は、1月16日付けレポートで「転換点<小>1月14日を経て、週初安から底打ち反転に向かうと予想する。サウジアラビアを始めとする中東産油国SWF(政府系ファンド)の換金売りも、原油20ドル台突入により一旦は止まろう」と指摘した後、

20日より「日経225先物を1万6500円割れから買い下がり」と予想。21日大引け間際の1万6020円どころでも日経225先物オプション2月物コールと共に買い推奨した通り、21日夜間取引の1万5780円を安値に切り返し急。原油も26.55ドルを安値に切り返し。

1月21日のドラギECB総裁の追加緩和示唆を好感し、22日夜間取引にかけ1万7170円へ急反発。シカゴ日経平均先物が1万7275円へ一段高。1日で1495円幅の上昇を演じた。

1月22日のNY市場が、ECBと日銀の追加緩和期待や原油高を好感し続伸。シカゴ日経平均先物も1万7230円で終了。ドル/円も118.79円で終了。原油WTI先物も32.19ドルで終了。

日経225先物を始め全体相場の今後の予測、短期・中期・長期予想は勿論、昨年12月5日付レポート「会員制投資戦略」(レポート会員)よりお伝えしてきた2016年相場年間予測、さらに2036年までの未来予測について詳しくは「会員制投資戦略」(レポート会員)に先程アップした1月23日付け週末レポート「今週の投資戦略(完成版)」(レポート会員)を参照。

 

1月16日付けレポートで以下の通り解説した。

 アメリカに世界シェアトップの座を奪われたサウジアラビアがシェアを守るため「20ドルに下落しても関係ない」と減産しない事を表明したのが2014年12月。この間、アメリカのシェールガス・オイルも生産コストが著しく低下してきた。1バレル当たり平均60ドルと推計されてきたが、原油急落により破綻した中小企業を大企業が買収。最先端技術を導入する事により最近は20ドル台で可能な油田、ガス田が出てきているとの推測もある。つまり、現時点でアメリカとサウジにとって20ドル台は落としどころの可能性が高い。

原油安は今に始まった事ではない。しかも本来、日本経済にはプラス要因。実際、原油安が始まった2014年6月以降、日経225の2段上げが顕著となった。アメリカの利上げ後、年明けさらに一段安に見舞われ、サウジアラビアを始めとする中東産油国SWFの換金売りが加速した。

1月15日朝方に、ロイター通信がサウジアラビアの新たなSWF設立計画を報じた。エネルギー業界以外の分野へ投資多角化を図る。既に投資銀行などに提案を募っている模様。ニューヨークを拠点に1~2年以内に始動する可能性があるという。換金売りする一方で次の投資先を模索している。

原油が下げ止まれば、中東産油国SWFの換金売りも一旦は止もう。

現時点では日経225が昨年12月1日を戻り高値に調整から年明け急落。昨年12月5日付レポートよりお伝えしてきた2016年相場予測2月前後にかけ上昇が続いた後、2月前後を高値に下落」の部分が既に外れていると言わざるを得ないが、年明け大発会からの動きとして2月前後の1月から下落したのだとしても日柄的にこのタイミングの下げなら○○○。

TOPIX先物も1月15日夜間取引にかけ1357ポイントへ下落。昨年8月24日夜間取引安値1363ポイントを更新。昨年8月アベノミクス2段上げ終了による急落からの底打ち反転を的中させた後お伝えしてきた中期予想「折に触れ短期調整もあろうが、中期的には年明け2月前後にかけ上昇が続く」も、外れたと言わざるを得ない状況ながら、NYは3指数とも昨年8月24日安値をまだ割っていない。

上海総合指数インドSENSEXは昨年8月、9月安値を更新。英FT指数も昨年8月24日安値を更新したが、ドイツDAX指数は昨年9月安値を割っていない。

現時点では3段上げによる昨年高値更新は難しくなってきたと言わざるを得ないが、ピンチを迎えた事により、逆に日米両当局共に切れるカードが増えつつある。昨年高値更新のタイムリミットは○月前後だが、全てが上手くいけば、まだ○○○と判断する。