1. 今週の東京株式市場

 

(1)上昇に向かうと予想する。今年のGWは東京休場中に安値を付けるラッキーな大型連休に。5月末に伊勢志摩サミットを控え、補正予算の規模をどこまで10兆円に近づけられるか、消費税引き下げを現実のものとできるか、麻生財務相に委ねられる事に

 

東京株式市場は、3月27日付けレポートで「今週は3月31日転換点<中>を迎え、31日前後から調整に転じる」と予想した通り、日経225が4月1日にかけ1万6113円へ4日続落。

4月3日付けレポートで『短期的にいったん反発すると予想するが、安倍首相が消費税増税延期を決断するなど好材料が出ない限り、週末から来週にかけ再び売り直されるような上げ下げしながらの調整が4月中盤まで続くと予想する。3月27日付けレポートでも指摘した通り、原油が急落さしなければ、このタイミングは大した下げに至らないと予想する。2016年相場予測「3月前後から上昇。6月前後を戻り高値に急落へ」とある通り、中期的には6月前後まで強い時間帯が続こう』と指摘。

原油安・円高が進む中、7日続落を交え「大した下げ」になったが、ドル/円が108円台に入った4月7日大引け間際より「このタイミングは108円台で止まる」と予想。一瞬108円を割れた7日夜間取引で日経225先物が1万5330円を安値に切り返し。

4月8日朝方に「本日4月8日転換点〈小〉を迎え、本日8日前後より上昇に転じる」と予想。日経225も朝方安値1万5471円から1万6027円へ切り返し。続伸となった。

マザーズ指数は、4月3日付けレポートで「短期的にいったん反発する」と予想した通り、6日の918ポイントを安値に切り返し急。8日にかけ1049ポイントへ急伸。一気に昨年6月24日高値1035ポイントを更新。

4月10日付けレポートで「転換点〈小〉4月8日を経て、上昇に転じる」と予想した後、11日に日経225先物オプション5月物コールを買い推奨した通り、日経225が14日にかけ1万6911円へ上昇。マザーズ指数が15日にかけ1114ポイントへ一段高。2013年5月高値をあっさり更新。

4月17日付けレポートで「短期的にいったん上昇一服が予想されるも、転換点〈小〉4月21日前後から再び上昇に向かう」と予想。日経225が18日の1万6254円を安値に切り返し。21日に戻り高値更新。22日を1万7572円で高値引け。円安を好感し夜間取引で日経225先物が1万7740円へ一段高。

4月24日付けレポートで『上昇が続くと予想する。週末よりゴールデンウィークの大型連休を控える中、4月26日~27日のFOMC、27日~28日の日銀金融政策決定会合の結果次第では乱高下もあろうが、引き続き、「上げ下げしながら5月中盤にかけ上昇基調が続く」との中期予想に変更なし』と指摘。

日経225は4月25日の1万7613円を戻り高値に28日に1万6652円へ急落。日銀金融政策決定会合の現状維持を嫌気した。

5月1日付けレポートで「5月2日転換点〈小〉を迎え、上昇に転じる」と予想。ドル/円が105円台に入った3日にシカゴ日経平均先物が1万5865円へ下落。6日朝方にかけ1万6310円へ反発した後、1万5840円を安値に切り返し。1万6080円で終了。日経225では今のところ5月2日の1万5975円が安値に。

5月7日のNY市場は上昇。4月雇用統計が弱い数字になった事を受け、安く始まった後、6月利上げ観測後退から買われた。ドル/円は107.11円。原油が44.66ドルで終了。

 

今週は、上昇に向かうと予想する。今年のゴールデンウィークは東京休場中に安値を付けるラッキーな大型連休になったと言えよう。

5月末に伊勢志摩サミットを控え、補正予算の規模をどこまで10兆円に近づけられるか、消費税引き下げを現実のものとできるか、麻生財務相の手腕に委ねられる事に。

この間、日経225は昨年6月高値を天井としたリバウンド相場に過ぎず、力ない戻りとなっているが、マザーズ指数は、「日経225はもう昨年6月高値を抜けないと予想されるため、日本株全面買い指示は出さないが、個別材料株は事実上全面買いだ」と指摘した2月12日の664ポイントを安値にドンピシャのタイミングで急反騰。2013年5月高値を更新。4月21日にかけ1230ポイントへ一段高。

昨年12月5日付レポートよりお伝えしてきた2016年相場予測「2月前後にかけ上昇が続いた後、2月前後を高値に下落。3月前後から上昇。6月前後を大天井にアベノミクス3段上げ完了による急落へ。10月前後で底打ちするが、年末にかけ底値ボックス圏で推移」は、日経225では外れたが、マザーズ指数では的中していると言えよう。

マザーズ指数の戻り高値は1月4日で「2月前後にかけ上昇が続いた後、2月前後を高値に下落」の範囲内。底値が2月12日で「3月前後から上昇」の範囲内。3段上げではないが、2013年5月に付けたアベノミクス始まって以来の高値を見事に更新した。

 

4月3日付けレポートより以下の通り解説。

訪米中の安倍首相が4月1日夜(日本時間2日午前)、来年4月に予定している消費税率10%への引き上げ見送りについて「延期するためには法改正が必要。その制約要件の中で適宜適切に判断していきたい」と言及。安倍首相が消費税増税延期に関し「法改正」の言葉を使ったのは初めて。

「リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、予定通り来年引き上げていく」と従来通りの考えも示したが、「延期するかどうかは発生した事態のもとで専門的な見地からの分析も踏まえ、その時の政治判断で決定すべきものだ」と語った。

5月26日~27日に開催する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)前後までに消費税増税延期・衆院解散・衆参同日ダブル選挙について最終決定する事になる。

消費税増税延期は既に織り込まれつつある。安倍首相には消費税減税(8%から7%へ1%引き下げ)、あるいは8%のまま軽減税率を検討して頂きたい。財政問題との綱引きもあり、世界が好材料視するか悪材料視するか諸刃の剣だが、株上げにとって短期的にはサプライズとなろう。

 

3日後の4月6日に早速、自民党の山本幸三議員が自民党本部で開いた「アベノミクスを成功させる会」において、「消費の数字から見れば、リーマンショック以来の事態が起こっている」と指摘し、「消費税は増税どころか減税すべき」と強調した。

 

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(2)2016年相場予測を「2月前後から下落。3月前後から上昇。6月前後を戻り高値に急落へ。10月前後で底打ち。底値もみあいから12月前後より上昇に向かうが、来年以降はボックス相場に」へ変更。マザーズが日経225の敵討つ

 

2月28日付けレポートより以下の通り解説。

TOPIXがバブル崩壊以降の安値692ポイントを付けた2012年6月4日から始まり、後にアベノミクスと呼ばれるようになった今回の日本株急反騰の天井が日経225で昨年6月24日の2万952円となり、2016年にかけての3段上げはなかったと判断せねばならなくなった以上、昨年12月5日付レポートよりお伝えしてきた2016年相場予測「2月前後にかけ上昇が続いた後、2月前後を高値に下落。3月前後から上昇。6月前後を大天井にアベノミクス3段上げ完了による急落へ。10月前後で底打ちするが、年末にかけ底値ボックス圏で推移」は、外れたと言わざるを得ない。

日経225が2万2666円で引けた1996年6月26日の天井を的中させて以来この間、

①1996年6月から1998年秋にかけての下落

②1998年10月底打ちから2000年春にかけての上昇

③2000年春のITバブル天井から2002年秋にかけての下落

④2003年春から2007年春にかけての約4年間にわたる上昇

⑤2007年夏ダブルトップからの急落

⑥2012年の日本株歴史的買い場

を事前に予測・的中。私の未来予測が中長期的に明らかに外れたのはリーマンショック時の「2008年春を底に2008年末にかけ急反発」だけで、2012年以降も、13年、14年、15年と年間予測をほぼ的中させてきた事はご存知の通りだが、2016年は外してしまった。心よりお詫び申し上げます。

2016年相場予測「2月前後から下落。3月前後から上昇。6月前後を戻り高値に急落へ。10月前後で底打ち。底値もみあいから12月前後より上昇に向かうが、来年以降はボックス相場に」へ変更する。

 

尚、マザーズ指数は、「日経225はもう昨年6月高値を抜けないと予想されるため、日本株全面買い指示は出さないが、個別材料株は事実上全面買いだ」と指摘した2月12日の664ポイントを安値にドンピシャのタイミングで急反騰。2013年5月に付けたアベノミクス始まって以来の高値を更新。日経225の敵を討ってくれた格好。

 

続き及び完成版は出来次第アップします。