1. 今週の東京株式市場

 

(1)習近平国家主席の青龍刀(中国の追加金融緩和)を好感し、新値更新。ナスダックも史上最高値更新。28日の日米首脳会談でTPPが緊急妥結となれば、30日に黒田刀3本目の可能性もゼロではないが、米国のゼロ金利解除前に3本目は抜けない

 

東京株式市場は、4月17日引け後に機関投資家への貸株による空売り解禁、証券会社に対する信用規制強化を発表した中国が、返す刀で19日夕方に金融機関の預金準備率を1%引き下げる追加金融緩和を決めたと発表した事を好感し、日経225が20日朝方に付けた1万9474円を安値に切り返し急。23日にかけ2万252円へ一段高。再び新値更新となった。

4月19日付けレポートで『18日時点で「今週は、転換点<小>4月17日を経て、日経225に続きTOPIXも調整に転じると予想する。再上昇に転じるには、4月1日に外債や株式への投資を2017年度までに3割増の60兆円に増やす中期経営計画を発表したゆうちょ銀行や、かんぽ生命の株式比率早期引き上げ、あるいは企業業績のサプライズ的上方修正、海外高、再度の円安進行など、何らかの好材料が必要な状況になってきた」と指摘した後、19日夕方に、中国人民銀行が金融機関の預金準備率を1%引き下げる追加金融緩和を決めたと発表。まずは、20日の上海市場を見極めたい。黒田刀は3本しかないはず。米国のゼロ金利解除前に最後の3本目は抜けない。ただし、米国のゼロ金利解除前に日経225が1万8500円を割るような局面に陥った場合は、短刀くらい抜かざるを得ない。ゆうちょ銀行と、かんぽ生命の株式比率引き上げという切り札も残っている。まずは、19日夕方に追加金融緩和を発表した習近平国家主席の青龍刀が、米ゼロ金利解除前に最後の3本目が抜けない黒田刀の代刀となるか、見極めたい』と指摘。

この間、日経225転換点<小>4月17日にかけ短期調整となったのに対し、TOPIXは16日に新値を更新し、転換点<小>4月17日にかけ跛行した事から、読みづらい展開となったが、習近平国家主席の青龍刀が、米ゼロ金利解除前に最後の3本目が抜けない黒田刀の代刀を果たし、転換点<小>4月17日前後の20日朝方安値から新値追い再開に向かった格好。ナスダックも史上最高値更新。

本レポートのご利用については、必ず巻末の免責条項をお読みください。

4月24日のNY市場が、一段高。ナスダックが5連騰。円高に振れ、シカゴ日経平均先物は2万70円で終了。ドル/円が118.92円。

今週は、4月28日から29日にFOMCが開催。28日に日米首脳会談。29日に安倍首相が米連邦議会で演説。30日に日銀金融政策決定会合が開催。黒田日銀総裁が、バズーカ第3弾を打つ(黒田刀3本目を抜く)か否かが最大の焦点。

黒田バズーカ第2弾を打った(黒田刀2本目を抜いた)昨年10月末からまだ6ヶ月しか経っていないのに、3本目を抜く可能性が囁かれるのは、日経225の2万円大台乗せには成功したが、もう1つの至上命題である物価上昇率2%が一般的に達成できそうにないからだが、4月19日付けレポートで指摘した通り、先の原油急落がなければ、順調だった可能性高く、原油が底打ち反転してきた今、既に解決済み。原油が来年にかけ70ドル近辺まで上昇すれば、物価上昇率2%達成も現実の物となろう。

一方、4月19日付けレポートで「黒田日銀総裁による金融政策に比べ後手に回っている観が否めない安倍首相の経済対策も、統一地方選挙のヤマ場を4月12日に無事勝利で終え、カジノ解禁とTPPに集約。中小企業向け資金調達・人手不足解消なども、具体化してくる事になろう。カジノは、諸刃の剣だが、最強のインバウンドかつ公共投資的な経済対策。有効需要も創出される。TPPは最大の規制緩和だ」と指摘した通り、超党派の議員連盟が、カジノを含む統合型リゾートを推進するIR法案の修正案について、28日に国会へ提出する方向で調整を続けている事が24日に明らかに。25日には、甘利TPP担当大臣がアメリカ向けの自動車部品の関税の即時撤廃で「相当な部分で歩み寄ることができた」と明らかにした。

また、4月19日付けレポートで『いったん円高に振れたドル/円が、再び円安に向かうための最低条件だった原油の底打ち反転は、既にクリア。あとは、TPPと「国際平和支援法」と名づけた自衛隊をいつでも海外出兵できるようにする恒久法が進展すれば、再度円安に向かう条件が整う』と指摘した通り、自民、公明両党が24日の安全保障法制に関する与党協議において、政府が提示した関連法案11本の主な条文について議論し、特に異論はないまま了承。戦争中の他国軍を後方支援する恒久法「国際平和支援法」に基づく自衛隊派遣でも、例外なく国会の事前承認を必要とすることで正式合意した。新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)が、27日にも日米両政府で合意。

4月28日の日米首脳会談でTPPが緊急妥結となれば、4月19日付けレポートで指摘した再度円安に向かう環境が整い、30日に黒田刀3本目の可能性もゼロではないが、甘利TPP担当大臣が「首脳会談で電撃的に日米大筋合意ということは1000%ない」と指摘。「国際平和支援法」を含む安全保障関連法案全条文に関する正式合意も5月11日。閣議決定が14日を予定。審議入りは26日頃。2本目を抜いた昨年10月末からまだ6ヶ月。習近平国家主席の青龍刀により、日経225が終値ベースでも2万円大台乗せに成功。ナスダックも史上最高値更新。

さらに、ギリシャ向けの2400億ユーロに上る現行の支援プログラムの期限が6月末。ギリシャは7月、8月にも多額の債務の返済期限に直面する。4月19日付けレポートでも指摘した通り、黒田刀は3本しかないはず。ならば、米国のゼロ金利解除前に最後の3本目は抜けない。

いずれにせよ、昨年12月13日付レポートよりお伝えしてきた2015年相場予測「2月前後にかけ上昇が続いた後、2月前後を高値にいったん調整。3月前後が買い場となって再び上昇。5月前後を高値に2段上げ終了の下落。7月前後が再び買い場となって3段上げ開始。上げ下げしながらも年末にかけ上昇が続く」に変更なし。

4月19日付けレポートでお伝えした通り、海外要因では、米国のゼロ金利解除が最大の焦点。個人的には既にタイミングを逸していると判断するが、遅くとも秋より前に実行せねばならない。一般にゼロ金利解除から利上げに向かえば、株が急落するとの見方もあるが、早目に行えば、そうはならない。短期的なショック安はあるかも知れないが、2016年中盤までは急落を回避できよう。1番怖いのは米国経済がゼロ金利解除できないほど良くない場合だ。

欧州経済が、今どう頑張っても、2019年前後まで底打ちから回復に向かえないのは、1990年から2003年までの日本経済と、2000年から2012年にかけての米国経済を分析すれば、一目瞭然だが、ここにきて中国株の再騰は頼もしい。まずは、4月19日夕方に追加金融緩和を発表した習近平国家主席の青龍刀が、米ゼロ金利解除前に最後の3本目が抜けない黒田刀の代刀を果たした。

黒田刀は3本しかないはず。米国のゼロ金利解除前に最後の3本目は抜けない。ただし、米国のゼロ金利解除前に日経225が1万8500円を割るような局面に陥った場合は、短刀くらい抜かざるを得ない。ゆうちょ銀行と、かんぽ生命の株式比率引き上げという切り札も残っている。

 

本レポートのご利用については、必ず巻末の免責条項をお読みください。

 

中長期的には引き続き、2012年6月9日付レポートよりお伝えしてきた通り「2012年6月4日のTOPIXバブル崩壊以降の安値更新は日経225で2008年10月28日安値6994円、2009年3月10日安値7021円更新に相当し、大底・歴史的買い場になった」との予想に変更なく、折に触れ短期調整もあろうが、2003年春からお伝えしてきた長期予測の通り、「2012年春を大底に2016年中盤にかけ約4年間にわたる上昇が続く」との予測に変更なし。

 

(2)2015年相場予測「2月前後にかけ上昇後、2月前後を高値に一旦調整。3月前後から再び上昇。5月前後を高値に下落。7月前後から再び上昇。年末にかけ上昇が続く」

 

2016年にかけての上昇幅について、2012年11月より「2003年春から2007年春にかけ約4年間にわたる上昇。2007年夏ダブルトップからの急落を予測・的中させた時と同様、今回も2016年中盤にかけTOPIX1900ポイントを目指す過程で3段上げを描き、まずは1段上げが今年2012年6月安値から来年2013年中盤で1225ポイント前後。半年間の調整を経て、2段上げが2013年末から2015年中盤で1783ポイント前後。そして3段上げが2016年中盤にかけ1900ポイントを目指す展開を想定。あくまでも日柄重視で値幅については、あてにならないと考えて頂きたい」とお伝えしてきた。既に2013年5月高値が想定を上回った。2020年東京オリンピック開催決定後は、「さらに上値が切り上がる可能性が出てきた」と指摘。

かねてより、『2008年のリーマンショック以降、QE1、QE2実施による急激な円高という為替のマジックにより、日本株は辛酸を舐めてきたが、円高は2012年9月のQE3実施で出尽くした。安倍総理誕生により「QE4は日本がやる事になる(円紙幣を刷りまくる)」という弊社代表取締役前池英樹のシナリオが現実のものとなり、円安が鮮明化。今度は為替のマジックにより、米国株より日本株の方が上がり易い環境が整う。日本経済・株式市場は、2012年に消費税引き上げの方向性が決まらなければ、最悪のシナリオとして「2015年日本破綻」の可能性もあったが、2003年春からお伝えしてきた長期予測の通り最悪のシナリオは回避された。2012年6月4日のTOPIXバブル崩壊以降の安値更新が、歴史的買い場になったとの予測に変更なく、円高、デフレも終焉することになろう。後は、解散・総選挙による安倍総理誕生を待つのみ』とお伝えしてきたが、遂に2012年12月26日に安倍総理が誕生。

さらに、弊社代表取締役前池英樹は約20年前より「長期的には少子高齢化に伴う人口減少に対する抜本的対策として移民政策に踏み切れるかどうかが日本の永遠の課題」とお伝えしてきたが、遂に2013年8月1日に政府が開いた国家戦略特区作業部会でまとめた規制改革の中で、介護、医療、農業分野に特定しつつも、外国人労働者の受け入れ、つまり、移民政策に言及。

弊社代表取締役前池英樹が過去の大型バブル崩壊チャート(1929年世界恐慌時のNYダウ暴落チャート、1919年大正・昭和バブル崩壊時の暴落チャート)世界各国の人口動態(人口ピラミッド)を独自分析した結果、2003年春からお伝えしてきた長期予測は以下の通り。

 

【1989年末を高値としたバブル崩壊から約13年後の2003年春を大底に2007年春にかけ約4年間にわたる上昇が続いた後、2007年夏以降、調整色を強め急落。

2008年春にかけ下落が続いた後、2008年春を底に2008年末にかけ急反発。2008年末を戻り高値に2009年春にかけ調整した後、2009年末にかけ切り返し。2010年中盤に再び急落。小戻した後、2012年春にかけジリ安。

2012年春を大底に2016年中盤にかけ約4年間にわたる上昇が続いた後、2016年中盤を高値に秋にかけ急反落。2019年にかけボックス相場が続いた後、2019年中盤から2036年初めにかけ上昇】 

 

本レポートのご利用については、必ず巻末の免責条項をお読みください。

 

昨日、講演会により、本日よりレポートを書き始めましたので、完成は相当遅くなります。明け方になってしまう可能性もありますので、ご了承ください。