1. 今週の東京株式市場

 

(1)予想に反する一段安ながら、2月12日前引け間際の1万4880円と1万4800円で安値引けとなった大引け間際にも日経225先物を買い推奨した通り、夜間取引で切り返し。CMEが1万5485円へ急反発。転換点<小>2月11日を経て再上昇に向かうと予想する

 

東京株式市場は、転換点<小>2月5日を経て8日は予想通り日経225が5日ぶりの反発となったが、世界同時株安に原油も再び30ドル割れとなる中、円高に拍車が掛かり予想に反する一段安へ向かった後、2月6日付けレポートの日経225先物オプション3月物コールの項で「次なる転換点<小>2月11日前後まで引き付けて買った方が賢明か」と指摘しておいた通り、まずは1万6000円割れとなってきた10日より12日と2段構えで3月物コールを買い推奨。

そして、日経225先物が1万4850円まで売られた12日前引け間際の1万4880円どころより日経225先物も買い推奨。その直後に安倍首相と黒田日銀総裁の会談が伝わり一時1万5280円へ反発した後、大引けにかけ売り直されたが、大引け間際にも「本日より15日にかけ買いとの予想に変更なし」と指摘した通り、大引け1万4800円を安値に切り返し。シカゴ日経平均先物が1万5485円へ急反発となった。

2月12日のNY市場が急反発。JPモルガンチェース会長ジェイムス・ダイモン氏の自社株買いを好感し、同社株を始めゴールドマンサックスなど金融株が急伸。アラブ首長国連邦(UAE)エネルギー相の発言を受けたOPEC減産期待から原油WTI先物も急反発。29.44ドルで終了。東京休場の11日に110円台に入っていたドル/円も113.28ドルで引けた。

 

今週は、転換点<小>2月11日を経て再上昇に向かうと予想する。

各国当局の対応が遅れた場合、週初高から週末にかけ再度売り直される可能性もあろうが、2月6日付けレポートで「2月の月足陽線を現実のものにするため、20日以降に黒田バズーカ第3弾(黒田刀3本目)に続く各国当局からの連携プレイ発動を期待したい」と指摘した通り、2月26日に上海で開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議において金融市場の安定化策を協議する事が明らかに。

2月12日に安倍首相と黒田日銀総裁が会談した後、麻生財務相が「必要に応じて適切に対応していく」と円高を牽制。政府・日銀による為替介入の思惑も高まってきた。

中曽宏日銀副総裁も、「当座預金を3層構造にしたマイナス金利は銀行収益への著しい負荷を軽減するよう設計されており、最近の銀行株の下落は行き過ぎ。金融市場の動揺について各国中央銀行と意見交換している」と発言。

さらに、弊社代表・前池英樹が先日よりその必要性を唱えてきた日銀の緊急会合についても、本田悦朗内閣官房参与が「金融市場の混乱状態が続けば、日銀は追加の金融緩和を検討するため、臨時会合を開く可能性がある」と語った。

2月12日時点で日経225のEPSが1152.86円へわずかに上昇。PER12.97倍。BPS1万5103.64円。PBR0.99倍。

NY休場の2月15日より春節(旧正月)明けの中国市場が再開。10-12月期のGDP(速報値)、中国1月貿易収支、ドラギECB総裁の議会証言。17日にFOMC議事録(1月26日、27日分)、米1月住宅着工件数。18日に中国1月消費者物価指数。18日~19日にEU首脳会議。19日に米1月消費者物価指数。

 

(2)2月26日にG20を控え、1月に続き月足で長い下ヒゲを形成できるか、世界的協調策発動に期待

 

1月16日付けレポートより以下の通り解説した。

アメリカに世界シェアトップの座を奪われたサウジアラビアがシェアを守るため「20ドルに下落しても関係ない」と減産しない事を表明したのが2014年12月。この間、アメリカのシェールガス・オイルも生産コストが著しく低下してきた。1バレル当たり平均60ドルと推計されてきたが、原油急落により破綻した中小企業を大企業が買収。最先端技術を導入する事により最近は20ドル台で可能な油田、ガス田が出てきているとの推測もある。つまり、現時点でアメリカとサウジにとって20ドル台は落としどころの可能性が高い。

原油安は今に始まった事ではない。しかも本来、日本経済にはプラス要因。実際、原油安が始まった2014年6月以降、日経225の2段上げが顕著となった。アメリカの利上げ後、年明けさらに一段安に見舞われ、サウジアラビアを始めとする中東産油国SWFの換金売りが加速した。

1月15日朝方に、ロイター通信がサウジアラビアの新たなSWF設立計画を報じた。エネルギー業界以外の分野へ投資多角化を図る。既に投資銀行などに提案を募っている模様。ニューヨークを拠点に1~2年以内に始動する可能性があるという。換金売りする一方で次の投資先を模索している。

原油が下げ止まれば、中東産油国SWFの換金売りも一旦は止もう。現時点では日経225が昨年12月1日を戻り高値に調整から年明け急落。昨年12月5日付レポートよりお伝えしてきた2016年相場予測2月前後にかけ上昇が続いた後、2月前後を高値に下落」の部分が既に外れていると言わざるを得ないが、年明け大発会からの動きとして2月前後の1月から下落したのだとしても日柄的にこのタイミングの下げなら、2016年相場予測3月前後から上昇。6月前後を大天井にアベノミクス3段上げ完了による急落へ」の部分がある通り、まだ返せる時間帯の筈。

TOPIX先物も1月15日夜間取引にかけ1357ポイントへ下落。昨年8月24日夜間取引安値1363ポイントを更新。昨年8月アベノミクス2段上げ終了による急落からの底打ち反転を的中させた後お伝えしてきた中期予想「折に触れ短期調整もあろうが、中期的には年明け2月前後にかけ上昇が続く」も外れたと言わざるを得ない状況ながら、NYは3指数とも昨年8月24日安値をまだ割っていない。

上海総合指数インドSENSEXは昨年8月、9月安値を更新。英FT指数も昨年8月24日安値を更新したが、ドイツDAX指数は昨年9月安値を割っていない。

昨年12月5日付レポートよりお伝えしてきた2016年相場予測「2月前後にかけ上昇が続いた後、2月前後を高値に下落。3月前後から上昇。6月前後を大天井にアベノミクス3段上げ完了による急落へ。10月前後で底打ちするが、年末にかけ底値ボックス圏で推移」

現時点では3段上げによる昨年高値更新が難しくなってきたと言わざるを得ないが、ピンチを迎えた事により、逆に日米両当局共に切れるカードが増えつつある。昨年高値更新のタイムリミットは6月前後だが、全てが上手くいけば、まだ3段上げによる昨年高値更新の可能性は残っていると判断する。

 

そして、1月23日付けレポートで「上昇が続くと予想する。ちょうど日銀金融政策決定会合の1月29日転換点<中>を迎え、日銀金融政策決定会合の結果次第では再度売り直される可能性も否定できないが、1月29日終値は月足を決める。2014年10月のような長い下ヒゲを形成し、昨年高値を更新できそうなチャートに戻せるか正念場。26日~27日に開催されるFOMCのイエレンFRB議長と28日~29日に開催される日銀金融政策決定会合の黒田日銀総裁に期待したい」と指摘した通り、29日の日銀金融政策決定会合で「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定。黒田バズーカ第3弾(黒田刀3本目)炸裂(抜刀)を好感し急伸。

黒田刀3本目抜刀と4本目の存在を歓迎し、欧米市場を始め中国、インドなど新興国も全面高。世界同時株高に。1月16日付けレポートより「ピンチを迎えた事により、逆に日米両当局共に切れるカードが増えつつある」と指摘した通り、黒田日銀総裁が世界を救った。

これで、2014年10月ほどエレガントではないが、1月23日付けレポートで指摘した1月の月足にある程度長い下ヒゲを形成する事に成功。1月終値が昨年9月終値を上回った。

 

2月6日付けレポートで以下の通り解説。

1月29日の日銀金融政策決定会合で「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定。黒田バズーカ第3弾(黒田刀3本目)炸裂(抜刀)により1月の月足に日経225先物で1860円幅の長い下ヒゲを形成。1月終値が昨年9月終値を上回り、右肩上がりのチャートに見せる事に何とかギリギリ成功したが、2月の月足を陽線にせねば意味がない。

2月5日時点で日経225のEPSが1137.22円へ低下。PER14.79倍。BPS1万4754.02円。PBR1.14倍。昨年9月29日と今年1月21日のPER13.3倍まで売られた場合の日経225は1万5125円。昨年4月28日のPER18.19倍まで買われた場合は2万686円。尚、今後の日経225採用企業の業績結果によりEPSが下がり続けるとは限らない。

2月の月足陽線を現実のものにするため、20日以降に黒田バズーカ第3弾(黒田刀3本目)に続く各国当局からの連携プレイ発動を期待したい。

 

中長期的には引き続き、2012年6月9日付レポートよりお伝えしてきた通り「2012年6月4日のTOPIXバブル崩壊以降の安値更新は日経225で2008年10月28日安値6994円、2009年3月10日安値7021円更新に相当し、大底・歴史的買い場になった」との予想に変更なく、折に触れ短期調整もあろうが、2003年春からお伝えしてきた長期予測の通り、「2012年春を大底に2016年中盤にかけ約4年間にわたる上昇が続く」との予測に変更なし。

 

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(3)2016年相場予測「2月前後にかけ上昇後、2月前後を高値に下落。3月前後から上昇。6月前後を大天井にアベノミクス3段上げ完了による急落へ。10月前後で底打ち」

 

2016年にかけての上昇幅について、2012年11月より「2003年春から2007年春にかけ約4年間にわたる上昇。2007年夏ダブルトップからの急落を予測・的中させた時と同様、今回も2016年中盤にかけTOPIX1900ポイントを目指す過程で3段上げを描き、まずは1段上げが今年2012年6月安値から来年2013年中盤で1225ポイント前後。半年間の調整を経て、2段上げが2013年末から2015年中盤で1783ポイント前後。そして3段上げが2016年中盤にかけ1900ポイントを目指す展開を想定。あくまでも日柄重視で値幅については、あてにならないと考えて頂きたい」とお伝えしてきた。

その後、2段上げ開始時期を2014年中盤に修正。日経225の2016年中盤と予想する3段上げの天井を、1996年6月26日終値2万2666円と想定。

かねてより、『2008年のリーマンショック以降、QE1、QE2実施による急激な円高という為替のマジックにより、日本株は辛酸を舐めてきたが、円高は2012年9月のQE3実施で出尽くした。安倍総理誕生により「QE4は日本がやる事になる(円紙幣を刷りまくる)」という弊社代表取締役・前池英樹のシナリオが現実のものとなり、円安が鮮明化。今度は為替のマジックにより、米国株より日本株の方が上がり易い環境が整う。日本経済・株式市場は、2012年に消費税引き上げの方向性が決まらなければ、最悪のシナリオとして「2015年日本破綻」の可能性もあったが、2003年春からお伝えしてきた長期予測の通り最悪のシナリオは回避された。2012年6月4日のTOPIXバブル崩壊以降の安値更新が、歴史的買い場になったとの予測に変更なく、円高、デフレも終焉することになろう。後は、解散・総選挙による安倍総理誕生を待つのみ』とお伝えしてきたが、遂に2012年12月26日に安倍総理が誕生。

さらに、弊社代表取締役・前池英樹は約20年前より「長期的には少子高齢化に伴う人口減少に対する抜本的対策として移民政策に踏み切れるかどうかが日本の永遠の課題」とお伝えしてきたが、遂に2013年8月1日に政府が開いた国家戦略特区作業部会でまとめた規制改革の中で、介護、医療、農業分野に特定しつつも、外国人労働者の受け入れ、つまり、移民政策に言及。

弊社代表取締役前池英樹が過去の大型バブル崩壊チャート(1929年世界恐慌時のNYダウ暴落チャート、1919年大正・昭和バブル崩壊時の暴落チャート)世界各国の人口動態(人口ピラミッド)を独自分析した結果、2003年春からお伝えしてきた長期予測は以下の通り。

 

【1989年末を高値としたバブル崩壊から約13年後の2003年春を大底に2007年春にかけ約4年間にわたる上昇が続いた後、2007年夏以降、調整色を強め急落。

2008年春にかけ下落が続いた後、2008年春を底に2008年末にかけ急反発。2008年末を戻り高値に2009年春にかけ調整した後、2009年末にかけ切り返し。2010年中盤に再び急落。小戻した後、2012年春にかけジリ安。

2012年春を大底に2016年中盤にかけ約4年間にわたる上昇が続いた後、2016年中盤を高値に秋にかけ急反落。2019年にかけボックス相場が続いた後、2019年中盤から2036年初めにかけ上昇】 

 

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続き及び完成版は、明日夕方頃にアップします。