来年2025年に買い人気を集めると予想されるテーマ。
(1) 量子コンピュータ関連
量子コンピュータ関連については、昨年2024年始の挨拶の中で「2024年に買い人気を集めると予想されるテーマ」に取り上げ、「ChatGPTの登場により新たなステージを迎えたAI関連に続き、今年は量子コンピュータ関連が現実買いとなるか、科学に期待」と指摘した後、既に多くの関連銘柄を買い推奨してきました。
NY市場では、昨秋から量子コンピュータ関連銘柄が一斉高。12月9日にアルファベット傘下のグーグルが、105個の物理量子ビットを搭載する量子コンピューターチップ「Willow」を発表。最新のスーパーコンピュータ「Frontier」で10の25乗年かかる計算を5分未満で実行した事を好感しヒートアップ。数カ月で77倍高が飛び出し、2022年秋からのChatGPT関連銘柄を彷彿させる大フィーバーとなっています。
既に77倍高を示現したのは、非線形量子光学を利用し高性能コンピューティングアプリケーション向け量子製品を開発提供するQUBTクオンタム・コンピューティング。7月2日安値0.35ドルから12月18日にかけ27.15ドルへ77倍高を演じ、市場の度肝を抜きました。
マルチチップ量子プロセッサーを開発・製造するRGTIリゲッティ・コンピューティングが、12月27日にかけ19.35ドルへ一段高。青天相場を上場来高値更新が続き、9月9日安値0.66ドルから29倍高に。
イオントラップ方式の量子コンピュータ実用化を目指すIONQイオンQは、12月26日にかけ48.56ドルへ一段高。青天相場を上場来高値更新が続き、8月5日安値6.22ドルから7.8倍高。
QBTS Dウェイブ・クアンタムも、12月27日にかけ11.41ドルへ一段高。8月8日安値0.75ドルから15倍高。
日本でも、11月8日に、理化学研究所(理研)量子コンピュータ研究センター光量子計算研究チームの古澤明チームリーダー(量子コンピュータ研究センター副センター長、東京大学大学院工学系研究科教授)、光量子制御研究チームの米澤英宏チームリーダー、日本電信電話株式会社(NTT)、同社子会社Fixstars Amplifyの平岡卓爾代表取締役社長CEOらの共同研究グループは、量子テレポーテーションで計算する新方式の量子コンピュータの開発に成功したと発表。世界に先駆けた汎用型光量子計算のためのプラットフォームとなります。
今回開発した光量子コンピュータは、インターネットを介したクラウドシステムから利用可能。当面は共同研究契約を通じた利用となりますが、今後、国内の量子計算プラットフォームの利用拡大、量子コンピュータのユースケース(活用法)の創出、国内量子産業の発展と国際競争力の向上に寄与すると期待されます。
量子コンピュータの実現方式には、超伝導、中性原子、イオン、シリコン、光など、多様な候補があり、熾烈な競争が行われています。この中で、光方式の量子コンピュータは、以下のことから非常に有望な候補の一つと考えられています。
①計算のクロック周波数(動作周波数)を数百テラヘルツ(THz、1THzは1兆ヘルツ)という光の周波数まで原理的には高められる
②他方式と違いほぼ室温動作が可能
③光多重化技術によりコンパクトなセットアップで大規模計算が可能
④光通信と親和性が高く量子コンピュータネットワークの構築が容易と考えられる
特に光通信で培われた超高速光技術が、光量子コンピュータにとって非常に有用なアセット(資源)であり大きなアドバンテージになる
古澤チームリーダーは、20年以上にわたる光量子コンピュータ研究のトップランナー。理研と東京大学で培った様々な技術が今回の光量子コンピュータに結実しました。基幹部である超広帯域量子光生成デバイスは、NTT先端集積デバイス研究所によって長く研究されている超高速通信用光デバイスを基に開発した量子光源が提供され、クラウドシステムはフィックスターズ子会社Fixstars Amplifyの協力により整備されました。
(2) 自律型AIエージェント・AIクローン関連
人間が最初のタスクを与えるだけで自律的に動き、条件に応じて自分で考え結果を導き出すのが自律型AIエージェント。
AIクローンは、人間の対話データや生年月日、好きなもの、尊敬する人などの情報をAIに学習させ、その人物の言葉遣いや話し方、思考パターンを再現した「分身」をつくる技術。
記憶の永遠化、意思の再現、個人の価値の最大・永遠化により自律社会の実現を加速させるパーソナルAIを開発し、全ての人が自分のAIクローンによって労働から解放され、アーティスティックな営みに没頭できる世界「働かなくていいデジタルユートピア」実現を目指します。
(3) 水素関連
低炭素水素等の供給・利用を早期に促進するため、基本方針の策定、計画認定制度の創設、計画認定を受けた事業者に対する支援措置(「価格差に着目した支援」、「拠点整備支援」)や規制の特例措置を講じると共に、低炭素水素等の供給拡大に向けて、水素等の供給を行う事業者が取り組むべき判断基準の策定等の措置を講じることを定めた「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律」(「水素社会推進法」)が第213回国会において成立し、昨年10月23日に施行されました。
11月16日~17日に行われた「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE 第7戦 S耐ファイナル 富士」に、トヨタ自動車が液体水素を燃料とする「#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」(液体水素エンジンGRカローラ)で参戦。水素エンジン車の市販化が現実味帯びつつあります。
(4) 光関連(光量子コンピュータ・光半導体・レーザー・光電融合・人工光合成)
光量子コンピュータを始め、光半導体、量子ドットレーザー、レーザー核融合、NTTが6G主導権目指すIWONの光電融合、人工光合成に欠かせない光触媒など、あらゆるキーテクノロジーが遂に、電磁波という「波」であり光子という「粒」でもある「光」に収束。
(5) 次世代電池関連(窓ガラス透明太陽電池・全固体電池・系統用蓄電池)
昨年当てたペロブスカイト太陽電池関連に続き、今年は早くも窓ガラス透明太陽電池関連がクローズアップされそう。全固体電池や系統用蓄電池関連も。
(6) イーロンマスク関連(政府効率化省・宇宙・ロボット・テスラフォン)
自動運転車・空飛ぶクルマ関連も含め、政府効率化省、宇宙・衛星、ロボタクシー、人型ロボット、テスラフォンなどイーロンマスクから目が離せない。
(7) ダイヤモンド半導体関連
「究極の半導体」と呼ばれてきたダイヤモンド半導体の実用化が、早ければ今年2025年。
(8) 暗号資産関連
トランプ新大統領の規制緩和で更なる一段高の可能性高まる。
(9) 2025大阪・関西万博関連(空飛ぶクルマ・自動運転車)
前売り券の発売から1年経っても目標1400万枚の約53%しか売れていないようですが、デモ飛行が予定される空飛ぶクルマや、自動運転バス関連も含め。
(10) 「超高齢化社会2025年問題」関連
戦後の第1次ベビーブーム(1947~1949年)に生まれた団塊の世代が2025年頃までに75歳以上に達する超高齢化社会を迎え、①医療費や介護費の増大、②労働力の不足、③社会保障制度の持続可能性の確保、④後継者問題による廃業の危機など様々な問題が発生。